卓越した想像力の果てに

昨日の朝、朝刊を開くと、このやうな記事が、

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ロボットとの共存に関して、少年を含む、3人の方が、それぞれの意見を述べてはるのですが、左下に、瀬名秀明氏の名が。瀬名氏と云えば、ロボットが登場する、数々のSFを出版してはって、私も数冊の著書を読んだ覚えが。そんな瀬名氏ですが、先月、某局で放映された、この番組の講師を勤めてはりました。

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私も、テキストを電子版で購入し、毎回楽しく拝見、と云うか聴講させていただきました(^O^)

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この番組では、クラーク先生の4つの代表作が紹介されていましたが、この中で、私が最も感銘を受けたのは、3週目に取り上げられた『都市と星』です。と云うわけで、書架を探すと、こんなんが見つかりました。右の『宇宙への序曲』は、クラーク先生の処女作です。

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奥付けを見ると、1971年に出版されています。私が就職した年だったりします。原作が書かれたのは1956年です。個人の意識の全てを『記憶バンク』に格納する世界が描かれているのですが、1980年代に、W・ギブスンや、B・スターリングが、サイバーパンクと呼ばれる『電脳世界』を確立するより、25年も前!です。

1956年と云えば、コンピュータがやうやく開発の端緒に就いたばかりで、量子コンピュータなんか影も形も無かったのに、何という、卓越した想像力やろ、と思います。この『都市と星』 には『究極の機械は可動部を持たない』とも書かれていて、私は、勝手に『クラーク先生の第4法則』と呼んでいるのですが・・・

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書架には、こんなんもありました。2008年に出版された、SFマガジン、クラーク先生の追悼號です。SFマガジン、時々、作家の追悼號を出すのですが、2号に渡って特集が組まれたのは、私の知る限りクラーク先生だけや、と思います。そんな中、先日、Jュンク堂に行ってみると、このやうな光景が、

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某番組のテキストと、クラーク先生の著書に並んで、講師の瀬名氏のアンソロジーが、ちゃっかりと置かれておりました(^O^)