『F』ってフォードのF、それとも・・・

先日、WOWOW でこんなんが放映されました。

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日本では、今年の1月、劇場で公開されたのですが、諸般の事情で観に行けず、WOWOW での公開を心待ちにしていたのですが、1年待たずに放映されたので、嬉しい限りです(^O^)

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映画も良く出来ていて、ルマンだけぢゃなく、デイトナのレースも再現されておりました。が、このゼッケン1番を付けた、K・マイルズがドライヴしたGT40のカラーリング、その後、フォードに代わって、フェラーリと死闘を繰り広げた、ガルフポルシェのカラーリングを彷彿とさせたりします。

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で、この映画、大変愉しませて頂いたのですが、一部だけ、残念なカットがありました。冒頭、アイアコッカら、フォードの重役陣が、買収の交渉にフェラーリの本社を訪れるシーンです。

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このフォトジャーナリストが構えているのは、フォトミックファインダーを取り付けた、ニコン Fなのですが、良く見るとセルフタイマーのレバーに黒いカヴァーが付いています(^_^*) それは無いやろ!と云うわけで、手持ちのニコン機で検証してみました。

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左が、映画で使われていたフォトミックファインダーが付いたニコン F、右が同じくフォトミックファインダーが付いた後継機のニコン F2です。それぞれのセルフタイマーのレバーを拡大してみました。最初はニコン

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ご覧のとおり、黒くありません。金属そのままです。続いてはニコン F2

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こちらには、黒いプラスチックのカヴァーが付けられています。このニコン F2が発売されてからも数年間、前機種のニコン Fも並行して発売されていて、それらの機種にはF2のセルフタイマーが付けられていて、ニューFと呼ばれていました。

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つまり、映画で使われていたのはこのニューFなのですが、発売されたのは1970年以降なので、アイアコッカらがフェラーリの本社を訪問した1965年には存在して無かったわけで、この1点だけが、残念なシーンでした。まあ、私以外、誰も気にしないと思います。これも、カメラ好きの宿命なのかも・・・