昨日は一日中雨、と云うことでこんなんを読んでいました。
A.C.クラークが1956年に刊行した、『旧作』の『新訳』です。
いやー、1956年と云えば、ようやくトランジスタが実用化され始めたころで、
LSIなんか影も形も無かった頃ですよ。そんな時代に、人間の属性を一枚のカードに
閉じ込めると云う、発想を思いつくことが信じられません。
で、その傑作を2009年のテクノロジーに裏打ちされた感性で翻訳しているので、
たいへん読みやすかったのですが、ただ1か所、気になる箇所が・・・
”いかなる機械も、いかなる可動構造をもたない”
とあるのですが、これでは真意は伝わらないかも。『旧訳』では確か、こう訳されていたはずです。
”究極の機械は、可動構造をもたない”
こちらの方が、解りやすいと思いますけど。私にとってこのフレーズこそ、この本の中で、
もっとも感銘を受けた箇所なのです。
SF好きな人ならご存知の、『クラークの三法則』に、私はこのフレーズを加えて、
密かに『クラークの四法則』と呼んでいるのですよ^_^;