人工知能って・・・

A・I と云う言葉を世に知らしめたのは、たぶんこの映画やと思います。

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S・スピルバーグ氏が、2001年に公開したこの映画、H・オスメント君の無機質な演技で話題になりましたが、何よりもその『A・I』と云う呼称は、その後頻繁に使用されるようになりましたが、問題はその日本語訳です。

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昨年、某紙のデヂタル版にこのやうな記事が掲載されました。この記事の中でも、A・Iは『人工知能』と訳されていますが、厳密には『人工知性』と訳すべきや、と思います。『人工知能』は、Artificial Brain の訳やと思うのですが。で、ウェブで『人工知性』で検索をかけても、こんなんしかヒットしません。

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が、先日、某氏の短編を読んでいると、このやうな記述が目に留まりました。

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この作品、小林泰三(こばやしやすみ)氏の『キャッシュ』と云うタイトルで、この短編集に収録されています。

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2002年に出版されたこの書籍、最初に紹介した、S・スピルバーグ氏の『A・I』とほぼ同時期に出版されています。氏は、昨年の11月に58才の若さで亡くなられたのですが、昨今の『人工知能』と云う、誤った訳語をどのように思ってはったか、聞いてみたかったような気が・・・

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小林氏の先見性については、大森氏も上の書評の中で述べてはります。と云うわけで、小林氏の他の作品も読んでみたくなりました。速攻で図書館に予約を入れたのは、云うまでもありません。